本書から引用 「脳の処理速度」が速いからといって「柔軟な思考の持ち主」であるとは限らない。人は疑うことの不快感よりも、確信することの安心感を好む。既存の考え方を新たな観点から見つめ直すことがいかに大事であるか、それを伝えるのが本書の目的である。
本書は考え直すこと、再考の大切さについて解説しています。
故事成語一つで表すならば、「君子豹変す」「(豹の毛が抜け替わってまだらの模様が鮮やかになることから)君子(人格者)は過ちを速やかに改め、鮮やかに名誉を一新する」といった意味、になるのではないかなと私は思いました。
固い信念を貫き通すというと、とても格好良くて、素晴らしいことのように思えますが、本書では逆の考えで、考えを変えないことへの警鐘を鳴らしています。
人は変わっていくものです。それなのに小さいころから改めなかった考えがあるのだとしたら、それは現状に合っていない可能性があります。
それを改めずに長いことそのまま貫き通すと、思わぬ不具合が起きる可能性があるということです。
もちろん、小さいころからの夢をかなえて幸せになった人も多くいるのでしょうが、逆に小さいころの夢にこだわって、進路を選び続けたことによって、こんなはずではなかったと後悔する人も多いのが実情です。
過去の自分が作った考えは、その時点での知識、経験、心情を反映したものです。現在ではその時点で持っていなかった知識、経験、心情を新たに加えて持っています。
それ故に過去と現在ではその考えに違いが出てくることが当たり前なのです。それなのに過去の考えに固執してしまうと自分の望まない結果になってしまいます。考え方は常にアップデートしていかなければなりません。
以上が本書を読んで印象に残ったところに、私の考えを絡めて書いたまとめになります。本書では、再考を主題に、様々な切り口から考えた再考のやり方について詳しく、かつ分かりやすくまとめてあります。
こんな時に再考することが役に立つのかと気づかされる点が多く、勉強になりました。考えを他者に評価してもらう、より多くのニュアンスを含んだ対話をする、視野を広げ、自分の将来について再考する、などの項が特に勉強になったところで、実際に自分の生活の中に再考プロミスを導入していくことを決めました。
前よりも深い考えができるようになり、考えるなかで新しい発見も増えたと思います。
本書は新たな気づきが多くある良書でした。おすすめですので、是非読んでみてください。
コメント