脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術 感想

感想

 本書はタイトルの通り、脳のパフォーマンスを高めることで、仕事の効率性を上げ、自由時間を創出する方法について解説しています。

 

朝 

→集中力が高まる「脳のゴールデンタイム」をフル活用する。

起床後、2,3時間が脳のゴールデンタイムで最も集中力が高い時間。このゴールデンタイムに集中を要する仕事をすることで、効率的に仕事が終わるようになる。

 

→「脳にいいリセット術」でダラダラ仕事を脱する。

昼休みに30分以内の仮眠をとるなど、「脳にいいリセット術」を使うことで、集中力が落ちがちな午後に集中力を落とさないようにする。

 

→「正しい運動」がくたくた頭を、シャキッとさせる。

基本的に起床後、時間が経てば経つほど、脳は疲れ、集中力は低下していく一方ですが、60分から90分程の軽く汗を流す程度の運動を取り入れると集中力を回復させることができる。

 

 以上が簡単な本書のポイントのまとめです。この時間術は筆者が実際に行っているものに、脳科学的な根拠を取り入れて作ったものらしく、とても分かりやすく、実践的です。

章立ても簡潔にまとめられており、分かりやすく、読みやすくなっています。

 

 全体的にいかに集中力を保って効率的に仕事を終わらせ、自由時間を捻出するかという点について具体的に方法を挙げながら説明しています。

 捻出した自由時間については、読書や勉強などの自己投資、趣味などの娯楽の時間として使うことをおすすめしています。

 捻出した時間を仕事をすることに使うのはおすすめしていません。時間のメリハリをつけず、休む時に休まないと必ずいつか身体を壊すからです。仕事は量よりも質を重視し、限られた時間でどれだけ多く仕事をこなせるかを目指した方が良いと筆者は述べています。

 もし、仕事の成果を出すことを優先したいという場合は、自己投資で自分の仕事のスキルを高める努力をするのがいいでしょう。その場合でも身体を壊さないために、しっかりと休む時は休むのが良いようです。

 

 次に趣味などの娯楽の時間に関して筆者は、テレビやゲームなどの受動的娯楽ではなく、読書やボードゲームなどの能動的娯楽をおすすめしています。しかし、受動的娯楽でも感想をSNSにあげるなどのアウトプットをすれば、能動的娯楽にすることができるとのことです。

 

 最後に本書が書かれた目的と、それについての感想について。

筆者は日本人の労働生産性が先進国最下位で、長時間労働が常態化していることが、日本の高い自殺率の要因になっているという問題意識を持っており、それを解決するための方法論として本書を書き上げたとのことです。

 

 アメリカでは多くの人が17時には仕事を終わらせて家に帰り、家族と一緒に食事をとるそうです。筆者はこのことをアメリカ留学の際に知って、衝撃を受け、そこからワークライフバランスに関する考え方がガラッと変わったということが本書で述べられています。自分なりの時間術を考え始めたのもそれがきっかけだということです。

 

 以前に比べて、ワークライフバランスを大事にする人の数は増えているとは思いますが、労働生産性は依然として先進国最下位だという状況は変わりません。更に幸福度が先進国の中でも低い水準にあるのも、労働生産性が低く、長時間労働ていることでそれをカバーしていることが要因になっているのではないでしょうか。

 日本の経済がこの何十年か振るわない理由も、ひとえに労働生産性が低いことにあるのではないかと私は考えます。

 本書に紹介されているような時間術を生活に取り入れて、労働生産性を向上させていき、自由時間を充実させていくことが、これからの日本にとって重要です。そこまで大きな枠組みで考えないとしても、本書で紹介されている時間術を取り入れて、自由時間を捻出することは、個人のワークライフバランスを向上させていく助けになるでしょう。まずは自分のできる身近なことから、自分の人生を充実させていく、そのことが重要なのではないでしょうか。少なくともその方が人生を楽しめるのではないかと私は思います。

 

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