まず本書のまとめ、10の最も重要な気づきから
1 あなたはサバイバルを生き延びた人の子孫だ。健康や幸せのためではなく、生き延び、子孫を残すために進化した。だから常に精神的に元気でいるのは非現実的な目標だ。
2 感情はあなたに行動させるために存在し、すなわち変化していくものだ。脳があなたの周囲と身体の中で起きていることをまとめたものが感情であり、体内の状態は思っている以上に重要なのだ。
3 不安とうつはたいていの場合、防御メカニズムである。どちらも人間の本質として正常であり、あなたが壊れているとか病気だとかいうことではない。何よりも、絶対にあなたの性格のせいではない。
4 記憶とは変化するもの、そうあるべきなのだ。トラウマになった記憶は安心できる環境下で語ることで変化し、脅威を減らすことができる。
5 睡眠不足、長期的なストレス、じっと座っていること、ソーシャルメディアで他の人の修整写真を見すぎることで、脳が「自分は危険な世界にいる」「自分は充分ではない」というシグナルを受け取る危険性がある。脳はそれに対して、あなたを引き込もらせなければと思い、精神状態を悪くしてしまう。
6 運動はうつや不安からあなたを守ってくれる。あなたは運動するようにできていて、今の時代は運動量が少なすぎる。一方で、だらだらしたいと思うのも正常な反応だ。
7 孤独はいくつもの病気に影響するが、小さな努力が大きな違いを生む。健康の見地からは、親しい友達が数人のほうが、浅い知人が多くいるよりも良いと思われる。
8 遺伝子の影響もあるが、たいていは環境の方が重要だ。遺伝子的にそうだからといってうつや不安を防げないわけではない。あなたの生き方が脳の機能に影響する。
9 幸せなんか無視しよう!常に幸せでありたいと思うのは非現実的で辛いだけ。しかも逆効果だ。
10 そして最も大事なのは-精神状態が悪いのなら受診すること。肺炎やアレルギーで病院に行くのと同じことだ。医学があなたを助けてくれるし、あなたは独りではない。
以上がまとめです。本書はストレスから生じるうつや不安について、脳の仕組みという観点から説明しています。
この本を読んで一番印象に残ったことは、うつや不安は脳の異常から起きるものではなく、むしろ脳の正常な防衛メカニズムによって起きるものだということです。
うつや不安は自分がおかしくなってしまった結果起こったものではないという精神科医としての作者のメッセージを感じて、印象に残りました。
おそらく作者のもっとも伝えたかったことの1つなのではないでしょうか。
そしてうつや不安を解消するために運動が一番良いというのが、明快な答えで良かったです。それに加えて、人に相談することの重要性も挙げていて、不安やうつが起きるメカニズムの解説から、その症状を緩和する方法についての説明までわかりやすく書いてありました。
うつや不安を感じたら、人に相談して、しっかり運動して、休んで、それでも良くならなければ受診するという流れがとてもわかりやすかったです。
人の基本的なメカニズムは狩猟採集時代から変わっていないのに、現代の社会の環境は一変してしまった。その環境の変化にうまく対応できていないために、脳由来の様々な問題が起きているというのがこのストレス脳含め、作者の脳に関するシリーズで一貫して語られているテーマです。
その解決策としても、一貫して運動が挙げられています。
運動は少し息が上がる程度の運動であれば何でもよいというのがとっつきやすいです。
何かスポーツをしなければいけないとか、ジムに通う必要があるとか言われると、だいぶ負担が重いですが、まずは速足の散歩を10分するだけでよいと言われると、だいぶ気が楽です。
日常生活にちょっと運動を取り入れてみることで、健康も生活もずっと良くなるというのは魅力的な提案です。
私も日常にウォーキングや筋トレを取り入れてみて、格段に日常生活が楽になったことを感じています。私は身体が弱いのですが、体調を崩すことも少なくなりましたし、大きく落ち込んでしばらく引きずることもなくなりました。身体の動きにシャープな感じが出てきましたし、失敗から立ち直るのが簡単になりました。
日常生活に運動を取り入れることで頭の回転も速くなり、仕事の能率も上がるそうです。実際私も運動を日常生活に取り入れてから、前よりもスムーズに仕事がこなせるようになりましたし、休日もエネルギッシュに過ごせるようになって、生活が前より楽しくなりました。
私の実体験からも、ストレスの対策としての、本書の解決策の提案は、妥当なものであると言うことができます。ストレス解消にもなるし、生活も楽しくなるし、運動の効果は絶大です。是非本書を読んで、その効能について知っていただきたいなと思います。同じ筆者の著書、スマホ脳や最強脳などもとても参考になるので、このストレス脳と合わせてお勧めです。このストレス脳を読んで、いいなと感じたら是非そちらも読んでみてください。
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