Psychology of Money サイコロジー・オブ・マネー 一生お金に困らない「富」のマインドセット まとめと感想

感想

経済的自由を勝ち取るための必読書と銘打たれています。お金の真理についての本ですね。

本書にはお金に関するアドバイスが散りばめられています。いくつか紹介していきますね。

・エゴを減らせば、豊かになれる

  貯金とは「収入からエゴを差し引いたもの」である。富は目に見えない。つまり富とは、将来、より多くのものや選択肢を手に入れるために、今買うものを抑えることで生まれるものなのだ。どれだけ稼いでも、そのお金を今日、今この瞬間を楽しむことばかりに使ってしまえば、富は築けない。

 筆者は「富の比較ゲーム」に参加してはならないと述べています。富の比較は上を見ても、下を見ても、きりがないからですね。見栄を張ると、その分余計にお金を使ってしまうことにもなります。十分を知ることが重要だとも筆者は述べています。

・「夜安心して眠れること」を優先してお金の管理をすべし

 当然のことながら人によってリスク許容度や必要なお金に差があります。つまりいくら貯蓄し、いくら投資に回すべきかの答えは筆者は人によって異なるということです。では、どういう基準で判断すればいいのかという疑問に、筆者は夜安心して眠れることを挙げています。自分の精神的安定性が保てる基準でということでしょうが、分かりやすい例えですね。

・投資で結果を出す溜めの最大の秘訣は、時間軸を長くすること

 時間は、投資における最大の武器である。時間は小さな積み重ねを大きく膨らませ、大きな失敗を風化させる。運やリスクをなくすことはできないが、時間をかければかけるほど望む結果が得やすくなるのは確かである。

 よくインデックスファンドへの長期投資がおすすめだといわれますが、その理由の一つが安定していて、時間をかけやすいからなのではないかと思います。

・上手くいかないことがあっても問題ないと考える。半分は間違っていても、資産は増やせる

 

 なぜなら、結果の大部分をもたらすのはごく少数の投資だからだ。投資対象を問わず、うまくいかないことが多く手もかまわないと考えるべきだ。それが世の中なのだ。

 個々の投資ではなく、常にポートフォリオ全体を見て成果を測ること。うまくいかない投資がたくさんあり、かなりうまくいっている投資がごくわずかだけあるという構成になっていてもかまわない。通常はそれが最良のシナリオになるからだ。

 個々の投資の結果に一喜一憂していると、うまくいっている投資は実際よりも素晴らしく見え、うまくいっていない投資は必要以上に惜しいと思えるものだ。

 筆者は会社の事業における投資も例に出してこのことを説明しています。

 例えばアマゾンでも成功して大きな収益を挙げたプロジェクトはごくわずかで、その陰には大量の失敗したプロジェクトがあるということです。

 成功するためには最速で失敗し続けることという言葉もありますし、失敗を過度に恐れてはいけないということかもしれないですね。自己投資や仕事の面でもこのアドバイスは生かせそうです。

・自分の時間をコントロールするためにお金を貯め、使う

 自分の時間をコントロールできないことほど、幸せを強力に妨げるものはない。ファイナンスの世界がもたらす最高の配当は、好きなことを、好きなときに、好きな人と、好きなだけできることだ。

 仕事におけるストレス要因の1位は仕事を自分でコントロールできないことらしいです。

給料の多寡ではなくどのくらい仕事を自分でコントロールできるかで幸福度が変わってくるということです。

 そのため、自分の時間を時間をコントロールするためにお金を貯め、使うということは理にかなっているように思います。

・他人に富を見せびらかさず、誠実に人と接しよう

 どんな高級品を持っていても、あなたが思うほど他人を感動させたはしない。高級な車や腕時計が欲しいと思っている人が本当に望んでいるのは、尊敬と称賛ではないだろうか。だが、もしそれらが欲しいのであれば、馬力の大きなスポーツカーや派手なメッキのうでどけいよりも、優しさや謙虚さの方が効果的である。

 裕福さの誇示は、富を減らす一番の近道ということで、見栄は良くないということですね。

・貯金をする。ただ貯金する。貯めるのに特別な理由は必要ない

 車を買うため、大きな買い物の頭金にあてるため、万一の医療費のためなどに貯金に励むのは素晴らしいことだ。だが、予測も定義もできないもののためにお金を貯めることほど、優れた貯蓄の理由はない。誰の人生も予期せぬ出来事に満ちている。人生では、最悪のタイミングで予期せぬ出来事が起こり得る。目的のない貯蓄は、そのリスクに対する備えとなる。

 ただただ貯金をすることが転ばぬ先の杖になるということですね。目的がないと貯金できないという人の場合は老後資金のためで良いと思います。

・「誤りの余地」を何よりも大切にする

 将来、自分の望み通りになるとは限らない。何が起こるかわからないと想定しておくことで、予想外の出来事に耐えやすくなる。この耐久力があるからこそ、時間をかけて資産を運用でき、魔法のような複利の効果を享受できるようになる。

 誤りの余地をつくっておくことは、臆病なタイプの人が取りがちな安全策のように見える。だがこれは、ゲームに長く参加し続けるための重要な手段だ。ゲームに長く参加し続けられるからこそ、そうしない場合に比べて何倍ものリターンが得られるのである。

 「誤りの余地」を作っておくこと、万が一への備えをしておくことは、筆者の言うようにゲームに長く参加し続けられるというだけではなく、チャレンジもしやすくなるというメリットもあるのではないかと思います。失敗したときの備えをきっちりしておくことで、大きなチャレンジに安心して臨めるようになるのではないでしょうか。

・自分がしているゲームを明確にする

 自分とは別のゲームをしている人に影響されないように気を付けること。

 自分がしているゲームを明確にするということは自分の人生、そして資産形成の方針、スタンスを明確にするということです。自分とは別のゲームをしている人に影響されないように気を付けるとは、例えば、自分とはまったくスタンスの違う人の成功談を聞いて影響されてしまうことを言います。

 自分の軸がぶれ、自分の目指す目的地にたどり着けない可能性が高まるということですね。時間もお金も無駄にしてしまうかもしれません。

・多様な意見を認める

 賢く、情報に精通し、理性的に思考する人々でも、お金の問題については意見を異にすることがある。ファイナンスに関しては、唯一の正解はない。自分にとって有効な答えがあるだけだ。

 多様な意見を認めるということはファイナンスに関してだけではなく、人生においても常陽なことだと思います。これを認めるだけで無駄な軋轢から逃れられるからです。許容度が増すので、人に優しくなれるようにも思います。 

 本書はお金の本として優秀なだけではなく、人生論の本としても参考にできる点が多くある本だと思います。本書のお金のアドバイスは、そのまま人生のアドバイスとして応用できるものが多くあるからです。

 お金の問題で悩みがある方は本書を読めば、方針面での迷いは消えるかもしれません。それだけお金と向き合う方針について分かりやすくまとめてある本です。是非ご一読を。

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