大切なことをするためには苦労することが必要だという固定観念に一石を投じた本です。
大事なことをやるのは本当に大変でしかないのか、もっと簡単にやる方法があるのではないだろうか。楽しくできる方法は?
ちょっとした工夫で大変そうに思われる大事なことを簡単に楽しくできることを本書は示しています。
重要とされているのは視点を変えてみることです。不足思考から充足思考へと変えるべきだと述べられています。つまり、足りないものに目を向けると、今あるものが見えなくなる、今あるものに目を向ければ、足りないものが手に入るということです。
感謝などポジティブなものに目を向ければ、世界の見え方はガラリと変わる。視野が広くなり、新たな可能性に目を向けやすくなる。心が開放的になり、創造性が高まり、社会性が増す。
すると私たちの精神は成長し、知的にも肉体的にもより高いパフォーマンスが出せるようになる。「正のスパイラル」が生まれ、ものごとがうまくいく確率が高まる。
恩恵を受けるのは自分だけではない。
感謝の心は他社に向かい、周りの人たちの心を明るくする。心の重荷が軽くなり、新たな可能性が見えてくる。ポジティブなサイクルが、自分をも他人をも成長させるのです。
一方、不平不満を溜めこむと、「負のスパイラル」が生まれる。ものごとがどんどん困難になっていく。ネガティブな気分が高まると、視野が狭まり、新たなアイデアや他者に対して心を開くことができなくなる。心身が縮こまり、使えるリソースがどんどん少なくなる。その結果、そもそも不満の原因だった状況を変える力さえなくなってしまう。そしてまた不満が増えていく。
このようにこの本では、不満を溜めこまず、感謝をすることで人生を好転させられるということを述べています。困難な状況に陥っても、感謝の心を忘れず、ポジティブな視点を持ち続けたなら、その困難を克服できると。少なくともポジティブに考えることをすれば、事態が好転する可能性は上がります。ポジティブな人には好感を持ち、手助けしてくれる人も多いでしょうし、自分のモチベーションも保ちやすいです。
私の経験としても、ネガティブな考えに支配されると、人生はとてもつらいものになってしまうと断言できます。良いことが起こっても、それを認識せず、悪いことばかり考えてしまうからです。ネガティブ思考に支配されるのは百害あって一利なし。
それよりも現状を受け入れ、良かったこと、楽しかったことを探していけば、人生は必ず少し楽になります。聖人君子になる必要はありませんが、あまり人の悪口を言わず、不平不満を溜めこまず、人に感謝することを見つけて実践していく方が、人間関係も良くなりますし、生きるのが楽になります。
もしネガティブな感情から抜け出せないなら、信頼できる人に悩みを相談して、一度ですっきりし、美味しいものでも食べて気分を上げ、少し体を動かして、早めに寝てしまうことをお勧めします。
良いものを食べ、良い睡眠をとり、適度に運動する生活を続けていれば、日頃の不平不満や悩みはずっと小さくなります。
人生が上手くいくかどうかは誰にもわかりませんが、私の意見としては、不平不満を言って人生を過ごすよりは、人に感謝して人生を過ごす方が圧倒的に楽です。人生が成功しなくともある程度納得できる人生になるのではないでしょうか。
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