アオノハコ 簡単感想

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ジャンプには珍しい純粋な青春恋愛漫画です。ラブコメでもなければ、お色気要素もない純粋な青春恋愛漫画。ただ主人公とヒロインとの恋愛模様を描いただけの漫画なのにとても面白いです。これこそが理想の青春だという感じがします。

 漫画的に誇張された天才キャラがいないのもいいですね。優秀なキャラはたくさん出てきますが、現実にいそうな等身大な範囲におさまってます。後述するように皆ありえないくらい人間が出来てはいますが。

 まず不快なキャラがおらず、皆一生懸命青春しているのがいいですね。主人公もヒロインもきちんと常識をわきまえており、誠実で、自分がやっているスポーツ、バドミントン、バスケ、新体操などに一生懸命で、応援したくなります。サブキャラもメインキャラをうまくサポートしたりするだけでなく、自分なりの軸を持っていて、存在感があります。

 キャラがいいからか雰囲気もいいです。皆、一生懸命でいいやつなので、暖かくて居心地の良い雰囲気です。

 ただ、厳しいことはしっかり厳しく、メリハリがついています。一生懸命頑張っていても、常にスポーツで努力が報われるわけでもないし、嫌なキャラがいなくとも、悲しいすれ違いが起こります。

 その挫折やすれ違いによる、キャラを曇らせる展開も、しかし別のキャラによってフォローされていて読んでいてハラハラはするんですけども、ある意味安心感があります。この展開でこのキャラ立ち直れるんだろうかとハラハラするも、でもきっと誰かがフォローしてくれて大丈夫なはずだという期待があって読み進められるという感じです。

 主人公がピンチの時はヒロインが、ヒロインがピンチの時は主人公が助ける展開で、徐々に絆も深まりますし、安心できる良い展開です。サブキャラもしっかりフォローして、主人公やヒロインを支えます。それで丁寧に等身大の青春物語を描いていっている感じですね。

 意地悪なところはないのですが、主人公やヒロインが直面する挫折やすれ違いは結構厳しめです。ここまで追い詰めるのかというなかなかハードな展開になり、誰かが助けに動いてくれるはずだと確信していても、しっかり不安になることができます。しかし、誰かが助けに動いてくれて、事態が好転するので良かったという安心感を得ることができます。

 このジェットコースターのような感情の揺れ動きが楽しめるところも本作の魅力だと思います。突飛なところのない、等身大の青春物語ですが、このように感情をしっかり丁寧に揺れ動かしてくれるため、決して飽きることはなく楽しめます。

 最後に公式ホームページへのリンクを張っておきます。少し試し読みもできるはずなので是非読んでみてください。とてもお勧めの青春恋愛漫画です。

『アオのハコ』|集英社『週刊少年ジャンプ』公式サイト
『アオのハコ』|中高一貫スポーツ強豪校、栄明学園。男子バドミントン部・猪股大喜は、朝練の体育館で毎朝二人になる、一つ上の女バスの先輩・鹿野千夏に恋をする。そんなある日、進級を迎える春に二人の距離が一変しーー青さが胸を衝く、青春部活ラブストーリー、開幕!!
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